6. 導電性繊維(炭素)による静電対策と構造設計の記録

TARCHIのパンツやキャップに使用しているウールキャバリーツイルには、
羊毛99%に対して、1%の導電性素材を加えています。

その1%の素材には、炭素(カーボン)が組み込まれています。
素材表記上は「毛99%、カーボン1%」としか現れない、ごく小さな要素です。

この1%は、見た目や触感、生地の安全性には影響を与えません。
ですが、着用したときの感覚においては、違いが現れます。

冬場でも静電気が起きにくく、衣服がまとわりつきにくい。
脱ぐときの帯電や、肌への微細な刺激も感じにくくなります。

これは、炭素を含んだ導電性繊維が、体表に蓄積した電荷を分散しやすくする構造によるものだと考えています。

この変化は、着た瞬間に強く感じるものではありません。
むしろ、「そういえば起きなかった」と後から気づく種類のものです。

乾燥した環境では、ウールや化学繊維の衣服でも帯電は起こり得ます。
衣服がまとわりついたり、脱ぐ際に静電気が発生することも珍しくありません。

それが起きにくいという状態そのものが、構造として機能している結果と捉えています。

また、この導電性は、日常環境で生じる微細な電気的な影響に対しても、身体に溜まりにくくする方向に働く可能性があると考えていますが、特定の機能として強く主張するものではありません。

実際の着用においては、全身を同一素材で揃えた場合に限らず、このウールキャバリーツイルのパンツ(TARCHIアイテムであるaka、kema、ico)を着用している状態で、上にウールリネンや他のウール素材を重ねた場合でも、冬場に起きやすい静電気を感じなかったという経験がありました。

この変化が常に同条件下で現れるものとは断定できませんが、少なくとも私の試験着用においては、一部に導電性の構造が含まれることで、全体の帯電の状態に影響が出ているように感じています。

あくまで、衣服の中に静かに組み込まれた構造の一つとして、この1%を扱っています。

目立たない要素ですが、着用時の違和感を減らすという意味において、十分な理由があると考えています。