3. 天然素材と化学繊維の特性比較と素材選択の記録

ウール素材のことを毛織屋の方と詰めていく中、TARCHIで扱うもの全体のことを考えていると、その他の素材についても、以前にも増して考えるようになっていきました。

日常において広く使われている素材の一つに、綿があります。
扱いやすく、加工もしやすく、色の表現も豊富で、多くの衣服に使われています。

ただ、これまで自然の中で過ごす時間が多かった私にとっては、その特性が制約として現れる場面もありました。

汗をかいた際に肌に張り付き、水分が乾きにくく、結果として体温を奪われやすくなること。状況によっては、夏場であっても身体が冷える要因になり得ます。

においについても同様です。
抗菌性を持たないため、においの原因が発生しやすく、一度付いたにおいが繊維の奥に残りやすい傾向があります。

山の連なりを、場合によっては何日か掛けて歩いていく“縦走”のような環境では、雨や汗によって衣服が濡れた状態が続くこともあります。
そのような状況を想定し、一般的にはポリエステルやナイロンといった化学繊維が選ばれることが多く、実際乾きやすさや形状の安定性において優れていると感じる場面もありました。

一方で、化学繊維には別の側面もあります。肌への刺激や違和感が出る場合があること、
また、においの発生を抑えにくいと感じることもありました。

さらに、近年問題として取り上げられることの多いPFASの存在についても、無視できない要素だと思うようになりました。

人体への蓄積や健康への影響が指摘されている中、特に肌に近い場所で長時間触れるものとして考えたとき、単なる機能性だけでは判断できない側面があると感じます。

また、こういった肌に近い場所での化学繊維による被害は、人体に影響が出てくるまでに蓄積から発現までの時間差があることから、原因がこれだと断定しにくいことも問題を複雑化している要因の一つとも考えます。

こうした経験や経緯を踏まえ、
自然環境だけでなく日常生活においても、素材そのものの性質が与える影響を無視することはできず、素材の選択は単なる機能ではなく、身体への影響も含めて考える必要があると考えるようになりました。