4.ウールとリネンの機能性と、生地開発までの記録
ウール素材や他素材のことを調べながら、専門の方達と話し合える機会をいただく中、同じように気になっていったのがリネン、麻の存在でした。
麻もまた、羊毛と同様に高い抗菌性を持つ天然素材です。
汚れにくく、仮に汚れがついても落ちやすく、においも出にくい。
生成りのまま使うことでその特性はより保たれ、漂白された白に比べても機能性の持続性が高いとされています。
強度が高く、特に水分に触れることで強度が増す特性で、耐久性にも優れます。
また、夏は涼しく、冬は暖かいという特性も持ち合わせています。日本のように湿度の高い環境においては、この素材の持つ性質は非常に理にかなっていると感じました。
古くから日本で使われてきた背景も含め、調べるほどに、リネンもまた高機能な素材であることがわかっていきました。
こうして、ウールとリネンという二つの天然素材が、日常から自然環境までを跨ぐ衣服の基盤になり得るのではないかという考えに至ります。
ただし、ここでも同じ課題が残ります。
洗いを含めた、日常使いに耐えうること。
そして私にとっては、兼ねてから自然環境下、山歩きでも着ることの出来る天然素材の襟付きシャツを着たい、という気持ちがありました。
化学繊維の襟付きシャツはありますが、肌に近い場所で安心して着用できる天然素材の場合でも、その特有の高機能、抗菌性や防臭性はあったとしても、やはり長期間使い続けるためには、繰り返しの使用や扱いに耐えうる耐久性が必要になると思いました。
その条件を満たしながら、一年を通して着用できる天然素材を実現することは、容易なことではないと感じていました。
それでも、可能性があるのであれば試す価値があるだろうと、毛織屋の方と共に生地開発の取り組みを始めることにしました。
自然環境下にも、都市にも馴染み、経年の変化に愛着が湧くような、長く続くシャツ。
ウールとリネンという天然素材の可能性を起点に、生地開発が始まりました。
(画像は製品になる手前、混紡率が定まったウールリネン生地の青藍色。ランダムな節はリネン特有の生地目です。洗うことで目が締まり、風合いと共に着用する人の身体に馴染んでいきます。)
こうして、この後開発された生地が hitsuki shirts という形に向かっていくことになりました。